燃料電池とは、化学反応によって電力を取り出すことができる、一種の発電装置です。 代表的な例では、水素と酸素から水が生じる化学反応の際に電気エネルギーを取り出すことができます。 この反応は、よく知られた化学反応の一つである「水の電気分解」の逆向きの化学反応に相当します。
水の電気分解は下図の右向きの反応になり、水に電気エネルギーを与えることで水素と酸素に分解できます。 燃料電池は逆に、水素と酸素から水ができる左向きの反応の過程で、電気エネルギーを取り出します。

燃料電池は下の表のように、大きく分けて5種類があります。 当社の燃料電池は「固体高分子型燃料電池(PEFC)」に該当し、水素発生剤から発生した水素を燃料とする方式を採用しています。 PEFCの特徴は運転温度が常温から90℃と比較的低温で、モバイル機器や家庭の電化製品用に向いています。
| 種類 | 運転温度[℃] | 使用用途 |
|---|---|---|
| 固体高分子型燃料電池(PEFC) | 常温〜90 | 家庭用・自動車用・モバイル機器用 |
| 直接メタノール型燃料電池(DMFC) | 常温〜90 | モバイル機器用 |
| リン酸型燃料電池(PAFC) | 200 | 工業用・定置電源 |
| 溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC) | 650〜700 | 工業用・定置電源 |
| 固体酸化物型燃料電池(SOFC) | 700〜1000 | 工業用・定置電源 |
次に、当社が開発したモバイル機器向け燃料電池FC-STICK®を用いて、燃料電池の発電の仕組みを簡単に説明します。
下に示す模式図のように、FC-STICK®は燃料カートリッジと発電ユニットに大きく二つに分かれます。 このうち水素と酸素から水を合成し、電気エネルギーを取り出す働きをするのが発電ユニットです。
燃料カートリッジ内の水素発生剤から発生した水素は、発電ユニットの燃料極に達し、水素イオンと電子に分かれます。 電解質膜は水素イオンだけが通ることができ、電子は燃料極・空気極間に接続された外部負荷で消費されます。 電解質膜を通過した水素イオンは、空気極側まで移動していき、そこで大気中から供給された酸素と化学反応を起こして水となります。 ここで生じた水は水蒸気となり大気中に放散されます。
結果としてFC-STICK®の発電で生じる副生成物は水のみで、二酸化炭素(CO2)や揮発性有機化合物(VOC)等の有害物を排出しない、クリーンな発電装置となっています。

PEFC型燃料電池が必要とする気体は水素と酸素です。 このうち酸素は自然界に多量に存在しているものを利用することが可能です。 しかし水素に関しましては、従来は水素ガスボンベや水素吸蔵合金内に高圧化で貯蔵して携帯するしか技術はありませんでした。
当社は「水素をその場で作ればいいのではないか」という発想の転換で、水素ガスを用いた燃料電池システムの開発に成功しました。
当社の保有するコアテクノロジーは次の3つです。
これらの技術を総合して開発したのが、下に示す製品です。
※全て500円玉と比較しています。
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仕様は予告なしに変更となる場合がございます。 あらかじめご了承ください。 | |||||||
FC-STICK®を手のひらに乗せた様子 |
ラインナップのご紹介 |
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前述した当社のコア技術により、デザインの自由度が高く、機能性に優れた燃料電池を開発することが可能です。 標準モデルはFC-STICK®ですが、もっとパワフルなタイプ、長時間持続するタイプ、あるいは形状の自由度を活かして薄型や超コンパクトなタイプなど、お客様のライフスタイルやご希望に合わせた様々な燃料電池をご提供することが可能です。
図:アプリケーション応用例
USBで充電できる機器の発売も増えており、利用シーンはますます広がっています。

当社の燃料電池は、水素発生剤からの水素と空気中の酸素を燃料として発電しますが、中には「水素は危険だ」と思われている方もいらっしゃると思います。 しかし水素は適切に使用すれば、エネルギー効率の高い、極めてクリーンで安全な燃料です。 水素はもっとも小さい(軽い)分子で、大気中に出てもすぐに拡散してしまいます。
毒性も臭いもなく、また水素単体では引火性も発火性もない物質です。 酸素と混合した場合、そこに着火されると燃焼し爆発を引き起こしますが、体積当たりの水素濃度が4%を超えない限り水素は燃焼しませんし爆発もしません。
お客様に心から安心して使用して頂けるように、当社製品は厳格な安全対策を施しています。
直接メタノール型燃料電池(以下、DMFC)も"モバイル用"燃料電池であり、運転温度も"常温〜90℃"と当社が採用している水素発生剤方式PEFCと似ていますが、何が違うかを比較しながら説明します。
DMFCは理想の燃料電池と言われ期待されてきましたが、下の表にもありますように、使用する燃料の特性や低出力発電ユニットなどが壁となっており、なかなか実用化に至っておりません。 当社の場合は、まず独自の高出力・超薄型ユニットを開発しましたので装置を小型化が容易になり、 また、安全なオンデマンド式水素発生技術を用いることで、小型で安価な燃料電池を開発することに成功しました。
| 方式 | アクアフェアリー方式 | DMFC方式 | ||
|---|---|---|---|---|
| 部位 | 発電ユニット | 燃料カートリッジ | 発電ユニット | 燃料カートリッジ |
| 基礎条件 | 高出力のまま薄型化に成功 | 水素発生剤 | 低出力 | メタノール燃料 |
| 基礎特性 | 装置の小型化が容易 | 独自の技術で安価に小型化に成功 | スタックによる装置の大型化が必須 | 引火性・毒性がある |
| 対策 | 最小限のハイテク技術のみ使用 | シンプルな構造を実現 | 小型化にハイテクが必要 | 容器やバルブに安全対策が必要 |
| 結果 | 小型化安価 | 大型化高価 | ||
アクアフェアリー燃料電池、リチウムイオン電池(LIB)、乾電池式外部充電器における、携帯電話への充電結果を一覧表にしました。
それぞれの方式にはそれぞれの利点があります。 例えば乾電池式は広く普及しておりますが、残念ながら製品によって性能の差が大きく、充電に時間がかかります。 また、充電に使用した使用済みの乾電池を持ち歩く必要もあり、かなり重くなります。
LIB式は最もパワフルで蓄電池とはしては最も一般的と言えます。 しかし、蓄電池ですので事前に充電する必要があり、携帯への充電時間は約2時間ですが、事前のLIBへの充電時間を足し合わせると数時間に及びます。
当社の燃料電池の場合、燃料電池は発電装置ですので事前の充電はもちろん必要ありません。 また、一覧表にもありますが、大変コンパクトで軽いので持ち歩くのにかさばることもありません。 他の二つの方式に比べても大変便利です。
表:アクアフェアリー燃料電池、LIB、乾電池式外部充電器における、携帯電話への充電結果一覧
| 充電方式 | アクアフェアリー燃料電池 | リチウムイオン電池 | 乾電池式外部充電器 |
|---|---|---|---|
| 携帯電話への充電時間 | 早い | 早い | おそい |
| コスト | 安価 | 高価 | 安価 |
| 利便性 | すぐに使用できる | 事前に充電が必要 | すぐに使用できる |
| 機器の寿命 | 長寿命 | 1〜2年 | 長寿命 |
| 重さ | 軽い | 重い | 重い |
当社比
世界的にモバイル機器の電源問題が既に生じています。 インターネットに常時接続できるインフラが整ってきたので、インターネット利用者が増加しています。 また、世界的にクラウドコンピューティング化も加速しており、場所を選ばずインターネットにアクセスし、データ処理や操作を行うことが可能になり、本格的にユビキタス時代が到来しつつあります。
例えば日本国内では、2010年末にはNTTドコモが高速無線データサービス[LTE]を開始することを宣言しています。 インフラの整備が進み、モバイル機器からも大容量データの送受信や操作が可能になってきており、実際にモバイル機器からのアクセス内容が、定置型機器からのアクセス内容と同様になりつつあります。 モバイル業務形態が普及のするのも必至で、電源問題はますます重要な問題となります。
アクアフェアリーはこの電源問題への解決策として当社の燃料電池を提案したいと思います。